【思考する問題】想像性が問われるマーケティングの問題

出張講義では、解のない問題に触れることもしばしば。目の前の「成績」のための授業でなく、本来あるべき「学び」の授業ができるので、本当に有意義な時間が過ごせます。いつも変わらず思うのは、明日の勉強へのモチベーションにつながってほしいと思いです。それが習慣となり、勉強にいちいちやる気なんていらないんだというところまでなるといいなって思っています。いつもと違う先生の授業、そして「成績」のための授業でないというのは新鮮なようです。

答えを求める子どもたち

答えのある授業に慣れた子どもたちは、すぐに答えを求めようとします。さらに、「いかに楽をして解けないか。」「いかに効率的な方法で答えを出せないか。」という安易な考えに走りがちになります。知らず知らずのうちに、結果ばかりを求めるようになります。そういう子が大人になると、自分たちの子どもたちまで、結果を求めるようになってしまいます。そういう洗脳にも似た教育を、そんな固定観念を心地よく破っていきたいものです。

答えのない問題

<問題>
アフリカにある裸足の国で靴を売ることになりました。そこで、2人のセールスマンが、視察のためその国に派遣されることになりました。その2人の名は、AくんとBくんです。その視察の報告です。

<Aくん>
「たしかに、みんな裸足です。靴自体のニーズがありません。」

<Bくん>
「みんな裸足です。ここなら靴が大量に売れます。」

同じ場所で、同じものが見えているにも関わらず報告がまったく違う2人です。あなたが、会社のリーダーならどんな指示を出すだろうか。

Bくんを採用

積極的に、市場開拓をしようとするBくんを信じたとしましょう。
<指示>
そこに、100人に対して5足だけ靴を置いて、その5足を自由に使ってもらいなさい。そう伝えて、一旦帰国しなさい。

<理由>
使ってもらえさえすれば、靴の良さがわかって、きっと買ってもらえるから。

<結果>
3か月後、またその国に戻って、Bくんは、45足の靴を売ることに成功します。実に、100人のうちの約半数に売れました。

では、この結果からAくんは、無能だったと言えるのでしょうか。

Aくんを採用

その国に靴のニーズがないというAくんの報告を信じたとしましょう。
<指示>
隣の国に移動しなさい。そして、その国の報告を挙げなさい。

<報告>
隣の国では、靴を履いています。ただ、靴屋の数が足りません。

<指示>
では靴屋を開こう。こちらから靴をどんどん送るので、その店で靴を売ってくれ。

<結果>
4500足が売れ、その後も4500足、継続的に売ることに成功しました。

この結果では、Aくんがたまたま、靴屋が足りないことに気づき、靴屋を開くことでBくんの100倍の靴を売り、しかも新規客、靴の買い替えのリピーターなどニーズから継続的に売ることに成功しました。

視点を変えたこんな意見もありました。

Bくんを採用。ただし指示を変える

Bくんに与えた<指示>に問題があるとのこと。そこで、<指示>をこう変えました。

<指示>
そこに、100人に対して3足の靴とサッカーボールを置いて、一旦帰国しなさい。

<理由>
靴の良さを最大限に知ってもらえるから。裸足やるより、靴を履いてした方がはるかにプレイしやすいですね。試合になると靴を履いたチームが勝つわけです。

<結果>
「靴を履くとサッカーがうまくなる。」と隣街に、さらにその隣町と…うわさが広がり、瞬く間に大量の靴が売れていきました。

問い続け、実践する「実学」が大事

このように、どれも正解とも、不正解ともいえない、答えのない問いに対して、考え、ディスカッションしたり、根拠をロジックや数字で示したり、はたまた他人の意見を聞く中で、自分の意見をブラッシュアップしていく。参加した人たちは、そういう時間を通して、自分に足りなかったことや今後気をつけていきたいことを確認することになります。

これらは、国語で習う読解、数学で習う証明、理科で実験をまとめる、社会でのグラフや表を読み取る力にもつながっていこうとも考えます。また何より、学ぶって楽しいと感じられることにもつながるのかなあなんて思います。

常識を超える

正解なんてないという発想も大事だということですね。昔は、良しとされているものも、今では、禁止されているのも少なくありません。今日の常識が、明日の非常識というのもこの10年だけみてもたくさんあります。変に固定観念にとらわれることなく、学び続けることは大切です。

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